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唐揚げ弁当

今思えば、購入した時からおかしかった。
だって、容器の蓋が閉まっていない。
そのため、持って帰っている時から匂いがだだ漏れで、俺の胃袋は空腹で限界だった。
それでも、その威容を見たとき、胃袋は戦意を喪失しかけた。
巨大な唐揚げが四個も入っており、アルプス山脈を連想させた。
負けずに挑戦した。
香ばしく揚げられた衣から溢れ出す肉汁。
それはアルプスの山脈にある美しい畔のよう。
俺は、知らぬ間に登頂を果たしていた。

End

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